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今週はこんな本を読んだ bQ4 (20.9.7) 「帝都衛星軌道」 島田荘司 講談社ノベル 08年8月初版 945円 本屋さんの台に並べられているのを見て、即レジへ、二日間の通勤の時間で読んでしまいました。 島田の本はbTで「切り裂きジャック・百年の孤独(改訂版)」bP5で「光る鶴」を紹介して今回で三冊目となる。文庫化を待ちに待っていたので、本を手にした時は、お待たせ、という感じでとても嬉しかった。 夏休みがあって、寝苦しい夜が続いて、汗をかいた肌に当たる冷房の不快感があって、そんな精神的肉体的だるさをひととき忘れさせてもらった。 物語は、「光る鶴」と同じ昭和51年に福岡県飯塚市で起きた一家四人殺害事件「秋好英明事件」を下敷きに、これを東京の神田で起きた「国吉事件」として、再審請求のための新証拠を得るために起こす事件、というストーリィ展開になっている。 表題の「帝都衛星軌道」は(前編)と(後編)になっていて、(前編)は事件編、(後編)は解決編、その間に「ジャングルの虫たち」とタイトルされた作品が独立した形で挿入されている。これは70年代後半を時代背景とした、いわゆる詐話師の話で、「おれおれ詐欺」や「ポルノサイトの架空請求」といった詐欺の手口を一番最初に思いついてやった人物を主人公としている。この中でどうやって人を騙し小金を手に入れるか、というあれやこれやの鮮やかな手口が書かれている。このことは、bP6で紹介した「騙す人、ダマされる人」の中で紹介された詐欺・詐話の手口を読んで知っていた手口がいくつかあった。 小説を前編と後編に二つに分割して、その間に全然別な、ストーリィ的に前編とも後編とも繋がりの無い、解決編を暗示させるためでもなく、まったく別なものと思われる小説を挟む、という構成はどうなのだろうか。 私としては、(前編)と「ジャングルの虫たち」を読み終わって、さて、まったく時代も登場する人物も何の関連のなさそうに見えるこのふたつの物語がどのように結びついて決着するのか、を楽しみに(後編)に入ったが、その期待はまったく完全に裏切られた。これが著者の最初から意図した構成というなら別だが、読者の私としては「期待は裏切られた」と言いたい。 前後に分割してその間に挿入された、ということに問題があるのであって、短編二作と考えればそれはそれで、というところ、だが、島田は何か意図するものがあってこのような形式をとったのか、ミステリーを読んでその構成の意図するものを考える、という奇妙な経験をしました。何かあるのだろうけど、私は読み取れませんでした。 本当に小説って面白よね。 |
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